アタシポンコツサラリーマン

ポンコツサラリーマンが、マンガ・アニメについてつらつらと書きます。不定期更新ですが、気が向きましたらぜひぜひお立ち寄りを。

【アニメ】ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

こんにちは!

ポンコツなままサラリーマン2年目を迎えてしまったいさおです。

 

今年度もマンガアニメを美味しく摂取する、

でもたまに語るオタクであれたら何よりです。

 

 

 

1. まえがき

 

さて、そんなポンコツオタクが、

めちゃくちゃ頭をぐるぐる動かされた作品を語る当ブログ、

第2弾は2018年冬アニメ、

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

です。

 

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同期で一番話題になったアニメは間違いなく

でしょう笑

 

 

一方、正統派アニメだと、

本作、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は間違いなく

名前が上がるはずです。

 

個人的には、

今年末に、2018年のTVアニメNo.1は?と聞かれても、もしかすると

ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と答えているのでは?

というくらい、非常に心温まる、そして何より丁寧な作品でした。

 

 

 

ではでは、本題に移りましょう。

 

 

 

2. あらすじ

ある日、田舎の病院で大怪我をした少女が目を覚ます。

彼女の名前はヴァイオレット・エヴァーガーデン

 

身寄りの無い彼女は、ギルベルト少佐という軍人に拾われ、

兵士として戦争に従事していた。

しかし病院で目覚めてみると戦争は終わっていて、

常に共にいた少佐はどこにも見当たらない。

 

事態が飲み込めないまま、彼女は身元引受人となったホッジンス元中佐に連れられ、

彼の経営する郵便会社で働くことになる。

 

しかし、兵士として生きてきた彼女は、

命令がないと行動することができない。

加えて人間らしい感情を持っていない。

そのため、仕事に勤しむものの、非常に苦戦する。

 

そして、何より気がかりなのは、自分の全てであったギルベルト少佐の消息であった。

 

そんな中、彼女は郵便局の一つの仕事である、「自動手記人形」に出会う。

これは、お客から書きたい手紙の内容を聞き、

本人の代わりにきれいな手紙に仕上げるという仕事。

彼女がその仕事の現場に居合わせた時、客が手紙に書いて欲しいと言った言葉は

「愛してる」であった。

 

彼女のギルベルト少佐との最後の記憶、

激しい戦場の中で、瀕死の少佐から彼女が聞いた言葉も、

「愛してる」であった。

 

しかし彼女はこの言葉の意味を知らない。

大切な少佐の最後の言葉の意味を知るべく、

彼女は自動手記人形になる決意を固める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※ 以下ネタバレあり ※※※ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3. 感想

(1) 雑感

ありきたりそうでありきたりでない、そんな作品でした。

 

上のあらすじを読むと、目の肥えた皆さんならこの作品のオチが何であるか、

明確に予想できるのではないでしょうか。

 

 

そうです、ヴァイオレットが愛を何たるかを知り、

少佐の愛情に気づくことです。

 

実際ヴァイオレットは、

話数が進むごとに人間の感情の機微を知り、

最後には一人で素敵な、心のこもった手紙を書くことができるようになります。

 

そして、最終話では、少し、ですが、少佐の「愛してる」の意味を認識するのです。

 

 

しかし、

ヴァイオレットが上記のゴールにたどり着くのを眺めるだけの作品であるのなら、

私はこんな記事をうだうだ書いてません!

この作品はそんなもんじゃないです。

 

本作の「ストーリー」のゴールは確かに上記の通りです。

一方本作の「作品」としてのゴールは、

その作品のキャラに留まらず、

現実の視聴者の心に何か大切なメッセージを残すことにある、そう私は考えます。

 

 

 

 

(2)「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品のメッセージ

① ヴァイオレットが愛を知る過程

前記の通り、本作のストーリーのゴールは

「ヴァイオレットが愛の何たるかを知り、少佐の愛情に気づくこと」

です。

 

しかし全13話である本作品、

ヴァイオレットが何かを学び、成長する姿が直接的に描かれるエピソードの数は、

半分にも届きません。

 

 

というのも、本作品、中盤あたりから、

ヴァイオレットはひたすら出張に出かけ、

各地で自動手記人形の仕事に勤しみます。

 

そして、各エピソードでは、

仕事を通して何かを学ぶヴァイオレットではなく、

ヴァイオレットの仕事を通して愛を伝え、愛を受け取る、

お客さんの姿が描かれていきます。

 

第5話では、隣国の王子との結婚を渋る王女さまが、

ヴァイオレットと共に王子と文通することで王子の愛を知り、

 

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第7話ではヴァイオレットと亡き娘を重ね合わせた作家が、

ヴァイオレットの献身によって娘の死から立ち直り、素晴らしい作品を書き上げます。

 

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つまりこの作品、ヴァイオレットは、

自分が愛を受け取るのではなく、

他人の愛を目撃し、担うことで、

愛の何たるかを学んでいくのです。

 

 

 

このヴァイオレットを愛の当事者に置かず、愛を眺める立場に置く構成は、

この作品のメッセージ性を強力なものにしていきます。 

 

 

 

② ヴァイオレットと視聴者の関係

重要なのは第10話、いつも通りの出張回です。

母子家庭で、病により余命わずかな母が、

自らの死後何年にもわたって母の言葉が娘に届くよう、

大量の手紙をヴァイオレットとともに執筆したという回。

 

放映時の反響が一際大きかった、かなりの感動回です。

 

 

そうして視聴者が母娘の愛に感動する中、

本エピソードの最後の最後に流れたのが、このシーン。

 

 

 

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ヴァイオレットが、

これまで淡々と担ってきたはずのお客さんの愛のやり取りに、

初めて、涙したのです。

 

 

 

 

ここで、視聴者の

「この作品は、愛を知らないヴァイオレットの学びを、

 視聴者という第三者の立場から眺めるアニメだ」

という認識は、一気に裏切られます。

 

なぜか?

ヴァイオレットが、

視聴者と同じリアクションを見せたからです。

視聴者と同じように母娘のエピソードを目にし、

視聴者と同じように、母娘の愛に涙した。

 

 

そして視聴者は気づくのです。

いや、自分たちはこれまでもヴァイオレットの学びを、

三者の立場から眺めてきたのではない、と。

この作品はそんなアニメではないと。

 

 

自分たちはずっとヴァイオレットと一緒に、ヴァイオレットと同じ視点で、

様々な愛のかたちを眺め、そしてその美しさを学んできたのだと。

 

 

 

 

そうです、本作のねらいは、

ヴァイオレットの学びの提示ではありません。

 

 

視聴者が、

ヴァイオレットと一緒に

人の織りなす愛の様々な形を目にし、

「愛の美しさ」という本作のメッセージを確かに受け取る、

 

これこそが、

この作品のゴールだったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※ ネタバレ終わり ※※※ 

 

 

 

 

 

3. おわりに

 

長々と好き勝手語りました。

最後までおつきあいくださり誠にありがとうございます。

 

このアニメ(全13話)で自分が一番感動したのは、6話、7話、10話あたりでした。

その感動に理由をつけた結果、上記のような語りになっただけで、

ヴァイオレットが少佐の愛に気づく姿を描写した最終話も、素晴らしい出来でした。

あくまで自己満足勝手解釈ブログなのです・・・すみません・・・・

 

 

深夜アニメ、というとオタク丸出しな感じがして敬遠する方も多いかもしれません。

しかし、本作品のように素敵なストーリー、そして美しい音楽と作画が共存した、

正統派作品もたくさんあります。

深夜アニメを見たことのない方も、一度いろいろ調べてみてはいかがでしょうか!?

 

 

 

 

(おわり)